前提知識
そもそも左美濃急戦って何?対抗型のやつ?って言われるとアレなのでその説明から。知ってる方は読み飛ばして良いです。
上のような、矢倉における後手の構えの事を指します。
左美濃急戦とか言ったり、居角左美濃とか呼ばれています。
特徴を挙げると、
・比較的短手数で組める
・かなり固く安定した玉形。
・横からの攻めにも強いので、飛車を切るような豪快な攻めが可能
・後手番ながら主導権を握って攻めることができる
・攻め筋が豊富で強烈。ハマると一瞬で終わる
・一気の攻めが決まらなくても難解な将棋
大体こんな感じです。
※元々はFloodgateでソフトがよく採用する戦法だったのだけど、優秀性が認められたのか今年に入って、プロでも徐々に流行の兆しを見せている。
アマチュアでもネット将棋を中心に結構流行ってる節がある。
僕とかも将棋ソフトのミーハーなのでよくこれ指してます。
本題
今回の紹介するものは、根本的な対策ではない(咎めているとかそういう類ではない)のでちょっと微妙な所はあるんですが、真正面から受け止めるのは気が引ける、という方にはオススメです。
左美濃がなんぼのもんじゃい、という人は回れ右で引き続きがんばってください。
一生狩られてて下さい。
上図の要領で指します。あらとっても簡単!
ポイントは
・5手目66歩ではなく77銀とする
・すぐに2筋を突いていく
この二点だけです。
これはどういうことかというと、最速で2筋交換を狙いにしつつ、隙あらば横歩を掠め取るのを目論んでいます。
例えば後手が左美濃にこだわって42玉だと、即24歩同歩同飛と進めてこれは後手がかなり面白くないです。
平凡に23歩では34飛と歩を取られてしまい、後手はこの損を取り返す手段に乏しく、64歩や74歩なども取られる手が見えるので突きづらいです。
24同飛に44角などはこの戦型での常套手段ですが、34飛と取っても良いですし、28飛と引いても良いです。
引いた後は、一例ですが早繰り銀で相手の角を目標にする方針で指すとわかりやすいかと思います(先手は矢倉にこだわらないことが重要。急戦も辞さずの構え)。
左美濃側からこの局面を見ると、先手が66歩を突いていない形では65歩の争点がないのですぐに攻めるのが難しく、逆に先手に有力な攻め形を築かれてしまう可能性が高いのではないかと思っています。
ちなみに、技巧や魔女も先手に+200~300程度の評価を示すので、こう進めば先手有望と言えそうです。
なので、戻って上図の局面では33銀とするしかなさそうです(もしくは42銀32金として2筋を切らせる形)。
これで一応左美濃急戦を阻止することができます。
とにかく居角左美濃を許さないスタイル
ただこれ、普通の矢倉党から見ると先手は25歩を先に決めてしまっているという損があるので、そういう意味で根本的対策にはなってないです(ソフトの評価値自体は互角)。この後はお互い急戦持久戦なんでもありの、矢倉のような何か(別名相居飛車)の戦型に突入するので、力戦志向の居飛車党には合うんじゃないでしょうか。
ちなみに僕はこの手広すぎる局面、どう指すか全く方針考えてません。
誰か代わりに(後手の)有力策を研究してこっそり教えてください。